最近学んだゲノム医療の話
「映像で知るゲノム医療と遺伝カウンセリング」という一般人向けのセミナーに参加しました。
遺伝子を調べて治療・医療に使うことをゲノム医療というのですが、今は高校生物の教科書でもゲノムについて学ぶそうです。化学や物理の教科書でも時代が進むごとに新しい情報が載っているはずなので、私が学生のときに学んできたことと異なる知識や新しい内容をアップデートする機会をいつも探しています。「こんなに変わった理科の教科書」とかそういう類の本も出版されていますが、どなたかこのテーマで中高年向けにセミナーをやってくださらないかしら(笑)。
で、本日はゲノム医療の最前線というか実際の治療の手前、遺伝子検査と遺伝カウンセリングをテーマとするお話でした。
がんゲノム医療がこの4月から保険適用される見通しとなり、遺伝子検査はより身近なものになりそうです。そこで、「あなたなら遺伝子検査を受けますか」という問いかけ。
遺伝子検査を受ける前の遺伝カウンセリングにおける患者さんの悩みをいくつか挙げてくださいました。私が一番に考えたのはクリスチャンの多い国では、遺伝子を調べるなんて神をも恐れぬ所業という点で宗教的・倫理的に何かひっかかるのかなぁということでした。実際にはそんな話は一言も出てこなくて、「遺伝子検査の結果、家族に不安を与えることになる自分を責めてしまう」何と日本人的発想なのかしらと思う反面、特に子どもを持つ親が抱く次世代以降の子孫への不安・恐れ・・・確かにこれは遺伝子検査を受ける上で大きな壁となりえます。
より効果的な治療を選ぶための手段と単純に割り切ることができない検査なんだということを知りました。また乳がんなど治療法が固まってきた病気の患者さんと治療法が確立していない病気の患者さんとでは遺伝子検査の結果を受け止める状況が当然違ってきます。
華々しく報道されることの多いゲノム医療ですが、遺伝子検査の段階でもうメリットとデメリットを考えなければならない・・・自分にも家族にも起こりうること、「あなたは遺伝子検査を受けますか」。考え出してから結論まであまりに短時間ではありますが、自分なりの答えにたどり着けました。
0コメント